スナフキンママのライフスタイル

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世界堂書店①ロンジュモーの囚人たち

さて、スナフキンママですが、読書は趣味です。

今回から、完全ネタバレの書評も行います。

まずは短編集。

世界堂書店」著・米澤穂信(編)より。

 

「ロンジュモーの囚人たち」著/レオン・ブロワ

 

①あらすじ

舞台はフランスのある町、ロンジュモー。ある日、新聞に一つの痛ましい記事が載る。結婚して二十年来幸福そうだったフールミ夫妻が自殺したというのだ。

フールミ夫妻は経済的にも恵まれ、人がうらやむほど中の良い理想的な夫婦として町中の人が認識していた。その夫妻がどうして自殺に至ったのかみな見当もつかなかった。だが主人公はフールミ夫妻の夫から届いたある一通の手紙の中にその真実をかいま見る。手紙には主人公に対する謝罪が書かれていた。「これであなたにお誘い頂き何回目になるのか。私たちには急用など何もなかったのに、また、電車に乗り遅れてしまった」曰く、フールミ夫妻は15年間、捻挫や自己、寝過ごし、財布の忘れ等により、ありとあらゆる町から出るバスや電車を乗り過ごしてきたというのだ。彼らは、74の葬式、12の結婚式、30の洗礼式、およそ1千の訪問に欠席してしまったという。そしてフールミ夫妻の夫は、自分たちをまるで「ロンジュモーの囚人」と形容した。

主人公は、彼らはこの呪われた運命を嘆いて自殺してしまったのだろうと想いを馳せ、物語は終わる。

 

②面白さのポイント

夫妻の仲の良さ、その後の手紙で描かれるロンジュモーの囚人としての夫妻の経緯、最後まで疾走感溢れる語り口に読者は魅了される。

 

③オススメ度(五段階評価)

3。

面白いのだが、彼らが何故ロンジュモーに囚われているのかについては特に理由が描かれていないので、少しもやっとして終わる。

 

ぜひ、読んでみてください。